永遠のはなし

だいすきなものと今の気持ち

語ることによる成仏

成仏するということは至極重要なのだと感じた。本日、大学院時代の先輩に会った。そこで私は4年ぶりに自分の修了間際のヤバエピソードを語ることにより、4年ぶりの成仏を果たした。

論文提出の5日前にまだ序論が書けておらず、研究室から自宅に帰れなくなり泣きながら母親に電話をし、「論文が出せないので大学院を辞めます。就職も資格もなくなります。」と、伝えた。その夜、研究室で先輩の寝袋を奪って寝ました(奪うな)。修了というかすかすぎる光の灯火さえ消えそうになっていることへの不安と生温い電気カーペットの心地悪さは一生忘れません。結局論文は出せたのですが、結局私はあの研究で何が示せたのか、よく分かってません。その後の研究発表会では質疑応答の時間にも関わらず会場を凪に。それでも、翌年学会で、あなたの研究を参考にしましたと感謝されたことがあり、何をどう解釈して研究したのか、私にも是非教えて欲しかったことがありました。そんな色々を語る中で、それでも選んで良かったと心から思っている自分に前から分かっていたけど気付きました。失敗して良かった。若い時の苦労は買ってでもしろなんて全く思わないけどそれでも良かった。もう随分前から笑い話なんですけど、景色を、事情を、よく知る人に話せて一緒に笑ってもらって、また新しい修了だった気がします。ありがたや。